コラム コラム 2016年3月12日 更新 お気に入り追加 1

理論から紐解く”4D”の可能性

1,503 view
理論から紐解く”4D”の可能性 AUTHORs BEAUTY

dimension(ディメンション)と表記すれば、なにやら見慣れない言葉のように感じますが 実は我々は日常的にこの言葉を使用しているはずです。ディメンションの頭文字の”D”を用いた “2D”“3D”などの表現をいたるところで目にします。 そもそもこのdimension(ディメンション)、どういった意味かご存知でしょうか?大まかなニュアンスとしては“寸法”ですが、デザインにおいて使用する場合は“次元”として捉えることがマストでしょう。

dimensionから考案するデザイン

 (181318)

dimension(ディメンション)と表記すれば、なにやら見慣れない言葉のように感じますが 実は我々は日常的にこの言葉を使用しているはずです。ディメンションの頭文字の”D”を用いた “2D”“3D”などの表現をいたるところで目にします。

そもそもこのdimension(ディメンション)、どういった意味かご存知でしょうか?大まかなニュアンスとしては“寸法”ですが、デザインにおいて使用する場合は“次元”として捉えることがマストでしょう。

“1D(1dimension)”は1次元の世界、つまり長さだけの線の世界を表します。それに対して“2D(2dimension)”は2次元の世界、つまり縦×横の平面の世界です。 日常のものでいえば、絵画やテレビの映像、地図などはこの2Dにあたります。

“3D(3dimension)”は3次元の世界。つまり2Dに高さが加わった立体の世界です。即ち我々が生活する現実世界はこの3Dの世界ということになります。

さらには“4D(4dimension)”という四次元世界の概念、これは 3Dの世界に『時間』が加わったものです。現実世界でも時間は流れているため4Dも現実世界のように感じますが理論上4次元は『今この瞬間の世界』と『1秒前の世界』『1秒後の世界』が すべて同じ空間に存在する、つまり空間が無限に存在することになるので、あくまでも理論上の世界です。ドラえもんの4次元ポケットなどはまさにこれでしょう。

デザインを考案する上でこういったディメンションの意味合いを簡単にでも理解しておくことが非常に大切です。“何となく”で動いていた思考回路にこういった理論が加わったとき今までに無い発想が生まれます。

ネイルアートで考える2D+3D

 (181319)

“ネイルアート”の世界も前項のディメンションの概念を基準として考えればかなりの進化を遂げてきたはずです。ネイルの原点は爪に色を塗ることですから原点は2Dの世界です。そこから1段階進化しベースカラーの上に絵を描くという発想が生まれます。

この時点でもまだ2Dの世界ですが、ネイルアートの幅が従来よりも格段に広がったという意味では、かなりの進化と言えます。
さらに進化して、今まで筆で描いていたデザインをアクリル素材などを用いて立体的に爪上に作るという発想が生まれました。この時点でようやくネイルも3Dの世界に突入したわけです。

この発想は爪に色を塗るだけだった頃の人達からすれば相当画期的で信じられないような発想でしょう。さらにはアクリル素材に加えて、ネイル用の小さなパーツやスワロフスキーなどのストーンも爪に装着されるようになり3Dの世界内でも新たな発想や進化は留まることを知りません。

現在のネイルアートの全てはこの2D+3Dで構成されています。2D、3Dそれぞれのディメンションで新しいアートは次々に生まれ進化し続けることでしょう。
しかしながら、2Dから3Dに進化したようにネイルアートにおいてディメンションの進化をこれ以上望むことは出来ないのでしょうか。つまり“4D”への進化です。

ネイルにおける“4D”デザインの定義

 (181320)

前述した通り4Dの定義は”縦×横×高さ×時間”の理論上のディメンションです。3Dの世界に生活する我々にとって4Dは空想の世界であり、ネイルで表現することは不可能かのように思えます。しかし“空想”だからこそ表現出来る世界でもあります。

4Dを表現するにあたってどうしても困難に思えるものが“時間”です。『1秒後の世界』と『1秒前の世界』をいかにして表現するのかが問題となってきます。
ここで“時間=動き(躍動感)”と考えてみてください。2Dのデザインに動き(躍動感)を加え、“脳内補完”という脳の働きを利用してデザインの『1秒後』と『1秒前』を想像させるのです。

写真のデザインは一見すると2D+3Dのデザインですが、2Dの部分に“動き(躍動感)”を意識的に加えてあります。爪先から根元に向かって弾けるようにバブルが広がるイメージで、“動き”のあるデザインです。
つまりこのデザインには『1秒前』と『1秒後』が存在し、それは躍動感から脳内補完によって補われるのです。すると“3D”に“時間”が加味されこのデザインは“4D”であると定義出来るわけです。

これはあくまでも理論上のディメンションであり4Dから先は専門学者でなければ理解不能な部分ですが、こういった定義をベースとして考えることで今までとは全く違った視点のデザインを表現することが出来るようになります。

感覚的になりがちなネイルアートですがそれもアーティストの本質であり、そこから生まれる素晴らしい作品はたくさんあります。ただ曖昧な分、他者に伝達するには不十分な要素が大きいのも事実です。
理論に基づいたアートはデザインの分野と強くリンクしアート理論の他者への伝達を助け、より多くの優れたアーティストを世に送り出すことが可能となるでしょう。



大塚翔太(3D Attacker)

関連記事