コラム コラム 2016年3月1日 更新 お気に入り追加 0

ネイリストとして初めてのハードジェルとの出会い

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ネイリストとして初めてのハードジェルとの出会い AUTHORs BEAUTY

私が働き始めた時、先輩たちはネイルサロンの王道メニューを丁寧に施術していました。キューティクルケア、マッサージ、カラーリングがセットになった…

15年前のネイルサロンメニュー

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私が働き始めた時、先輩たちはネイルサロンの王道メニューを丁寧に施術していました。

キューティクルケア、マッサージ、カラーリングがセットになったマニキュアトリートメント。

長さを出したい方には、ファイバーグラス(ネイルチップを爪に接着して長さをだし、ファイバーグラスシートを爪全体に貼って補強するシステム)やモメンタム(ネイルチップを爪に接着して長さをだし、接着剤と樹脂パウダーを使って補強するシステム)です。

これらの長さだしの施術に使用していた商材は、表面のツヤを出すために丁寧に磨き上げる工程が必要なうえ、何層にも重ねる接着剤のせいでオフがしづらく、施術中に匂いがするのが難点でした。

当時のボスがいつも「お客様と施術者にとって、もっといい商材がないかしら」と探していたのをよく覚えています。

初めてのジェルネイル導入

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ある日、サロンのボスが見慣れない商品をもってやってきました。

聞けば「紫外線で固まるジェル」というものらしい。

へえ~何、なに、とみんな興味津々です。

ボスによれば、これはジェル状の樹脂なので、塗れば自然に表面がつるんとしますし、紫外線に当たるまでは固まらないので接着剤と違って何度でも修正が可能ですし、固めた後はツヤ出しの工程も省けるというのです。

「これはいい!」と私たちは早速「UVランプ」なるものを買い足し、溶液類も揃え、お客様に施術を始めました。

ただ使い方を教わったわけではないため、最初は失敗の連続。

ジェルを固めるときの硬化熱に悲鳴を上げるお客様(厚く塗ると熱が発生するなんて当時はだれも知りません)。

甘皮に流れ込んだジェルをうっかり硬化してしまって修正に四苦八苦する施術者(ネイルカラーと違い、硬化後の修正は削り落とすしかありません)。

そしてサロンに立ち込めるジェル独特の臭いに、内心辟易していた日本人。

こんなはずでは・・・と思っていたサロンのボス。

今から15年以上も前のお話です。

ハードジェルを探して

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サロンに導入されたのは、今でいうところの「ハードジェル」でした。

クリスタルのような美しい光沢と、アクリリックシステムに匹敵する堅牢さを特長とする最先端ネイルシステムだったのです。

ただ「ナントカに真珠」じゃありませんが、どんなにいい商材でも商品情報や使用方法やお手本を知らないまま使ったのでは意味がありません。

しかし何せ今から15年も前の、首都から遠く離れた街角の一サロンのこと。

施術者たちはまずはこう思ったのでした。

「きっと、ほかにもっといいハードジェルがあるはず!」

しばらくして、施術者のデスクの引き出しには、ボスが方々探して買ってきてくれた数種類のメーカーのジェルが雑多に収納されていました。

そして。

状況は以前と全く変わらなかったのでした。

日本人は相変わらずサロンの臭いにウンザリしていましたし、こんなはずじゃないんだけどな~・・・とボスは思っていたのではないでしょうか。



田賀 美鈴(MOGA・BROOK)

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